仏像・能面彫刻材や、伝統工芸士の木工品を販売

木材業を営むクライアントで、建築材を販売するかたわら、仏像彫刻や木工工芸品を販売。

ネットでの販売が徐々に大きくなってきたことから、ネット販売のさらなる拡大についてコンサルティング要請をいただきました。

京都・奈良の仏師や、主に60代以上の男性が趣味とされている方などで、木材の目利きなどもそれなりにできるコアな個客層で占められており、
コンサルティングにあたっては、プロ御用達の専門店の姿勢を保ちながら現在のお客様の満足度を落とさず、年齢・性別ともに個客層を広げ、仏像彫刻の世界を広く一般に知ってもらうことを目的として、新商品の開発を重点項目としました。

仏像・能面彫刻材 興味はあるけど敷居が高い

まず、仏像彫刻や能面彫刻に興味のある人は、案外多いのではないかということで単純に検索してみると、
「仏像彫刻」で約45万件、「能面彫刻」で12万件がヒット。
もちろん彫刻された仏像の販売サイトも含まれるのですが、少ない数字ではない。

ただ、自分で仏像の彫刻をはじめようとすると、かなり敷居の高いこともわかります。

いくつか仏像彫刻教室の相場を見てみると、月に4〜5千円と材料代で、一般のカルチャースクールと変わりません。
でも、この教室に通う層は、ほとんどが70代以上の男性だというから、女性や若年層にはかなり敷居が高いのです。
通信講座もなくはないのですが、いきなりそこからというのも。。

初心者でも彫刻できそうな仏像とは

仏像彫刻に興味があるけど、仏師を目指しているわけでもなく、作ったものを販売しようというわけでもない、ましてや造形や彫刻を勉強した経験もない人でも、気軽に取り組めるものがあれば。。

そんなところから考えることにしました。

そういう題材、、それはお地蔵さまですよね、やっぱり。

この世のあらゆる苦しみや悲しみを癒してくれるお地蔵さま。
釈迦が亡くなった後、56億7千万年後に弥勒菩薩が現れるまでの間、衆生を救うという役目を持ち、寒い雪の日に笠をかぶせてあげると、米や野菜に大判小判も届けてくれる親切な仏様です。

千体地蔵プロジェクト案

たとえば、子供の夏休みの宿題。
たとえば旅行で立ち寄ったお寺などで、2時間くらいで完成する。
何度も繰り返しお地蔵さまを彫り続ける動機付け。

いろいろ考えるうちに、千体地蔵という言葉が頭に浮かんできました。

千体地蔵というのは、願いを持った人がお寺などで地蔵さんを一体借りて帰り、願いが叶うと借りて帰ったものと、新たにもう一体を納める風習で、長い間に数え切れないほどのお地蔵さまが集まったというものと、千羽鶴のように願いを込めて一人または多くの人たちが彫刻したものを持ち寄るものもあります。

東北の大震災の際にも京都の仏師さんなどが中心となって一般の参加を募り、木造の地蔵さまを千体作って被災地に送り、供養されたようです。

人は、人の役に立ったことを、自分の幸せと感じることができます。
千体のお地蔵さまを作ること、それが人のためになること、自分の幸せに繋がること、

そういうあたたかいイベントをベースにして、超初心者用の彫刻セットを用意する。そこを木像彫刻への入り口の一つとすることで裾野が広がっていくのではないかと思い、一つの商材として考えていくことにしました。

市販入門書に合わせた彫刻材

仏像彫刻、能面彫刻、バードカービングなどは、それぞれ入門書が出版されており、私も書店や図書館などを回って調べてみました。

見てみて思ったのは、初心者向けと言いながら、ある程度の技術や知識がないといきなり本を買ってきても何から手をつけていいかわからないということでした。

まず、彫刻するための木材はホームセンターなどで売っているものでよいのか?
彫刻刀は子供が学校で使ってたようなものでいいのか?
木の大きさは?
などなど最初の段階で引っかかってしまいます。

他にもかなりの情報がないと進めない。まあ、だからこそ教室から始めるということになるんでしょうね。

そこで、それぞれの書籍にあった木材と、彫刻刀も合わせて提供するというものも商材の一つとして加えることにしました。

システムはweb1.0仕様

さて、商品は現在の一品ものと初心者用のものをラインアップするとして、システムをどうするか。
現状のサイトは、htmlベースで、カートボタン以降はいわゆるレンタルスクリプト。

Seo的には静的htmlは有利だけれど、商品の並べ替えや売り切れ商品が多数残っていたりと、管理面では商品の増加を考えていく上では厳しい。

CSカートやEC-cubeなどの自由度の高いものは後々の運用もある程度のスキルが必要なので、E-storeをオススメすることにしました。

ただそうなると月額で費用もかかってくることもあり、もう少し売り上げが上がってきてからということにし、Yahoo!ショッピングやアマゾンなど出店を手始めとして取り組みを始めることにしました。

<つづく>