思想を変えていただくのは難しい

問題が整理できれば、あとは作業時間と、開発にかかる費用の捻出をして実行していくことになるのですが、

大きな問題として残ったのは、本店以外のカテゴリサイトをどうしていくかということでした。

発想的には検索エンジン対策を目的として設置されたということですが、前述のように、アクセスは無いと言っていい状態にあり、本店にも同じ商品が並んでいるので、たとえば業務用に特化するのであれば数量割引や定期購入を行うなどの違いを出さないと効果は出てこないだろうというお話をしました。

現状ではお客様がそのサイトを訪問する理由はなく、昔はともかく現在では検索エンジンへの効果も薄く、それどころかコピーサイトとして本店もろともペナルティを受ける可能性さえあるということもお話したのですが、クライアントの意向は、もっと分割したサイトを多数立ち上げていきたいということでした。

まずは本店施策に集中する

ひとまずカテゴリサイトの議論は置き、本店の活性化に絞っていくことで同意、まずはすぐに実施できる項目を提示して作業をお願いしました。

コンテンツページから商品ページへの動線改善、
そして価格調査と調整は売れ筋上位と検索が多く成約に至らない商品の両面からの取り組みをお願いしました。

特に価格差については、お客様に不信を抱かせ、サイト全ての商品が市場価格よりも高いものだという印象を与えるものだということをお話し、早急な作業をお願いしました。

成約率の改善を最大の焦点としていく

ネットの販売を向上させるための指標は、アクセス(ユーザー数)、成約率、顧客平均単価の3つ。
この掛け合わせが売上です。

ネットビジネスを行っていく上で、この3つの指標が最上位に来るものです。

この指標の下に、無数のマーケティング戦略や事業戦略を組み立てていくことがマーケッターの最大の責務で、すべてはこの3つの指標をどう定義して目標設定をし、すべての施策の成果はこの指標に貢献したかどうかで判断します。

今回ケースで一番大きな問題は、成約率がもともと一般的な数値より低く、それが近年さらに低下傾向にあるということでした。

この原因をつきとめ、改善していくことがサイト全体の活性や実績の向上につながるということをご説明し、サイトの改善や施策を進めていくことにしました。

解析を進める中で出てきた原因として考えられるものは、CRMの弱さでした。
新規の会員登録数が購入数に比べて低く、リピート率も低い。

ここがこのサイトの最大の弱点だということが明確になってきました。